寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「ーーー莉茉。」



そっと、莉茉の頬に手を這わす。









逃げる事。






それが、お前の愛情と言うのなら。







俺は、そんなものいらねぇ。



「良いか、莉茉。」

「う、ん?」

「俺から離れる事は、絶対に許さない。」



未来永劫。






その、さらさらの髪も。





華奢な身体さえ。






お前の心だって。



「お前、俺だけのものだ。」



俺以外、誰にも触れさせず。





渡しもしない。
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