寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「迷惑なんて、莉茉は考えなくて良い。」
俺は、そんな柔じゃねぇ。
簡単に、潰れる訳がねぇだろ?
それに、高崎の家もな。
「………っ、あ、きら…。」
莉茉が、瞳を潤ませる。
「莉茉は何も考えず、ただ、お前は俺の側にいろ。」
それだけで、良い。
他には、俺は望まないから。
ーーーただ、この腕の中に。
それが、俺の幸せなのだから。
「莉茉、返事は?」
「………………ん、ごめん、ありがとう。」
「あぁ。」
俺の肩に顔を押し付けて 啜り泣く莉茉を、強く抱き締めた。