寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「莉茉が、その手を血に染めたとしても、俺はお前を愛す自信がある。」
例え、
誰にも理解されなくても。
それが、俺の愛情。
莉茉に対する、重すぎる程の思い。
でも。
「ーーーーっっ、嬉しい。」
そんな重すぎる俺の愛を、本当に嬉しいと、莉茉が歓喜に震えるんだ。
幸せそうに、微笑んで。
「………莉茉。」
そっと、莉茉の頬に手を這わせ、いまだに流れ落ちる、その涙を拭う。
「う、ん?」
「もう、俺はお前を手離してやれないって言っただろ?」
なぁ、莉茉。
いまさら、お前を手離せと言うのか?
こんなにも、愛おしく。
狂おしい程に、大切なお前を。