寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「少し眠れ、莉茉。」
「………ん、まだ大丈夫。」
眠たげなトーンの莉茉が、嫌だと首を横に振った後、俺の胸元にしがみ付く。
「………暁?」
「ん?」
「もう少し、起きてちゃ駄目?」
潤んだ目で、俺を見上げる莉茉に、つい頷きそうになるけど、堪える。
「駄目だ、まだ莉茉には休息が必要だろ?」
無理は禁物だ。
体力も落ちているだろうからな。
全ては、莉茉の為。
「………だって、皆に会いたいんだもん。」
莉茉が唇を尖らせる。
「ふっ、まるで子供みたいだな?」
駄々をこねる莉茉に、俺はくつりと笑った。