寵愛の姫 Ⅳ
「お休み、莉茉。」
どうか、願わくは。
君の見る夢が、良いものである事を。
華奢な莉茉の身体を持ち上げて、ベットにきちんと寝かせると、その隣に俺も横になる。
もちろん、自分の腕の中に閉じ込めて。
「………………んぅ…。」
「ふっ、」
そんな俺に擦り寄る莉茉に、頬を緩ませて、そのまま目を閉じる。
誰かしら来る、その時まで。
今までの疲れからか。
それとも、隣にある莉茉の温もりからなのかは、分からないけれど。
目を閉じた俺の意識は、いとも簡単に眠りの中に沈んでいった。