寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………………、だから、かな?」
ねぇ、莉茉。
私に、罰が当たったのは。
それは、とても重すぎる十字架だった。
………………一体、私はどこから間違った?
「茉莉…。」
「………。」
弱々しく莉茉が私に震える手を差し伸べる様を、ただ、呆然と見つめていた。
「っっ、」
刺した、私が。
………………この、真っ赤に染まる手で。
大切な姉さん、莉茉を…。
べっとりと血に染まった自分の手が、その現実を私に突き付ける。
理解したの。
ーーーーもう、後には戻れないのだと。