寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
『ーーーー私と、親子の縁を切って。』
淡々と、お父さんに告げた莉茉。
家族を要らないと、そこまで言わせるまで追い詰めたのは、間違いなく。
………………私達だ。
「っっ、」
あぁ、
遂に、来たのか。
分かっていた。
いつか、こんな日が来る事が。
予感していた気がする。
莉茉は、幸せになるんじゃないかって。
………………でも。
『………………1人だけ、逃げ出すのね…。』
許せなかった。
親子の縁を切って、1人だけ幸せになるのか。
ーーーーじゃあ、私は?
押さえられなかった。
沸き上がる、自分の中の、奥深くに眠らせていた、あの恐怖心を。