寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「な、んで…。」
口が戦慄いて続かない言葉。
代わりに、涙が散る。
なのに、何でこんな事をした私なんかにあんたは手を差し伸べるのよ。
本当、馬鹿よ、姉さん。
あんたは。
「………り、ま…。」
でも、一番、馬鹿なのは、絶対に私。
差し伸べられたあんたの手に、みっともなくすがり付いてしまうんだから。
ねぇ、莉茉。
差し伸べられた、あんたの手は、凄く温かかった。
どうして、双子なのに、こんなにも違うんだろう。
まっさらで白いままの莉茉と、真っ黒な闇にどっぷりと染まった私。
「………………っっ、どうしてっ…。」
ねぇ、本当に。
………一体、何が間違いだったの?