寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「………貴方の処遇は、後から我々の若頭が決める事でしょう。」



莉茉が救急車で運ばれてから連れ込まれた、暗く、じめじめとした地下室の一室。






抵抗なく、冷たいコンクリートの床に座り込む。








そんな私を、男が見下ろす。







確か、森若大雅。







高崎暁の側近で、右腕の1人。



「………。」



虚ろな目で、私は森若大雅を見上げる。



「若は、貴方を決して許さないでしょう。」

「………。」



………………あぁ………





私は、死ぬのか。





それも、良いかも。






だって、私の側に、莉茉かいないんだもの。








………………もう、どうでも良い。
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