寵愛の姫 Ⅳ


「莉茉、大丈夫か?」

「ん、平気よ?」



気遣わしげに私の顔を覗き込む暁に、微笑む。









怪我を負ってから、1ヶ月。








色々あったけれど。




やっと、暁のお許しが出て、茉莉が入院している病院に来られた。



「本当か?」

「もう、暁は心配性だね?」



暁は、いつまでも過保護なんだから。






私が怪我を負って、入院してから、ますます、そうなった気がする。



「………お前にだけだ。」

「ふふ、」



暁の惜しみ無い愛情に、くすくすと笑みを浮かべて、私は目の前のドアをゆっくりと開けた。
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