寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
『心が、疲れてしまったんでしょう。』
『………………いつ、茉莉は元に戻りますか?』
『ーーーー分かりません。』
ねぇ、茉莉。
こんな絶望は、ある?
やっと、会えたのに。
貴方と、ちゃんと向き合えると思ったの。
『………、私の声は、彼女に届いていますか?』
『えぇ、届いているはずです。』
聞いて欲しい。
私の思いと、気持ちを。
『今はただ、休んでいる最中だと思いますよ。』
そう、茉莉を担当する医者は最後に私に語って、去って行った。