寵愛の姫 Ⅳ

「………でも、いつかは2人で笑い合える日が来るかも知れないよね?」



儚い希望でも、



夢見ても、良いでしょう?










願わくは、




ーーーーー貴方も、同じ気持ちでありますように。



「暁。」



暁を見上げてから、自分の手を差し出す。



「どうした?」

「ふふっ、」



私の差し出した手をすかさず握る暁に微笑んで、茉莉に視線を向けた。



「茉莉、私は幸せになる。」



誰よりも、幸せに。





このまま、幸福な未来を行く。






暁と、一緒に。






過去には、振り返らない。
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