寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………………っ、はい、分かっています。」
「そうか、なら良い。」
こいつは、最も辛い制裁を実行されるだろう。
生き残れれば、良いが。
「早く、水瀬茉莉の行方を探せ。」
「はいっ…。」
恐れを滲ませた声を最後に、俺は通話を切って、そのまま終わらせる。
「………水瀬茉莉…。」
何かしら、やるとは思っていたが。
通話の切れた携帯電話を持つ手に、力が入る。
十中八九、あの妹は、莉茉ちゃんに接触するだろう。
俺には、確信があった。