寵愛の姫 Ⅳ  【完結】

「茉莉、会いに来たよ?」



ゆっくりと。





私に近付く、慣れ親しんだ気配。











ねぇ、何でよ。






どうして、そんな柔らかい口調なの?









もっと、罵れば良い。






最低だって。






私を罵倒する権利が、莉茉にはあるのに。



「………っっ、ごめんね、茉莉…。」



姉さんは、謝るんだ。






………………こんな、最低な私に。









突き付けられる。




私との、大きな違いを。








はっきりと、教えられるんだ。




ーーーー自分の、醜さを。
< 202 / 422 >

この作品をシェア

pagetop