寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「ねぇ、どれ程、辛かったの?」
………分からない。
麻痺してしまったの。
私の、心は。
そうする事で、自分自身を守っていた。
一種の、事故防衛。
「………、苦しかった?」
うん、苦しかった。
生きているのが、堪らなく嫌で。
莉茉の温かな腕の中で、何度、このまま眠りたいと願った事か。
苦痛だった。
毎日、明日が来る事に怯えていたの。
でもね?
そんなの、お互い様なんだよ。
だって、そうでしょ、莉茉?