寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「神無、暁の事は気にしないで、座ってて?」
「う、うん。」
………………莉茉………
それは、無理だよ。
こんなに存在感が半端ないのに、気にしないなんて、私には出来ないもん。
「今、飲み物を用意してくるわね?」
そんな私の内心の叫びに気付かない莉茉は、にっこり微笑んで、キッチンに向かってしまう。
ーーーーだから。
「………、失礼します。」
身をすくませながら、お兄さんの向かいの高そうなソファーに朔くんと座るしかなかった。
………うぅ。
やっぱり、怖いよ。
………慣れるのは、まだ、私には無理そうです。