寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「2人共、今日は急に呼び出してごめんね?」



私達に視線を向けて謝る莉茉に、顔を上げた私は、首を横に振る。



「うぅん、平気だよ。」



確かに、驚いたけれど。







莉茉の元気そうな顔を見れて、良かったし。







安心した。









もう、病室で眠り続ける莉茉に、胸が苦しくなって、泣きたくなる事もないんだと。



「で、莉茉の話したい事って?」

「………、うん、あのね?」

「ん?」



首を傾げる私を、莉茉の揺るぎない眼差しが、真っ直ぐ射抜いた。
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