寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「っ、ありがとう、莉茉。」
「え?」
「こうやって話すのも、辛かったでしょう?」
私だったら、無理だ。
自分の口から話せるような内容じゃない。
それほどまでに、辛い現実。
私は、莉茉みたいに強がる事も。
大丈夫だと虚勢さえ、張れない。
「莉茉とこうして出会えて、生きていてくれたことが、本当に嬉しい。」
感謝をしても、しきれない。
私だったら、挫けてた。
目の前の現実に、絶望し、全てを投げ出していたからも知れない。
………………朔くんと、出会う事なく。