寵愛の姫 Ⅳ

「………、神無。」


莉茉の目が潤む。






それでも、涙を流さないのは、隣にお兄さんがいるからで。







そして、莉茉が強いから。








ーーーーきっと、誰よりも。



「約束する。」

「約束?」

「うん、ずっと莉茉の親友でいるって。」



裏切らない。






これから先、莉茉だけは。



「ありがとう、神無。」



涙を滲ませた莉茉に、私は心の底から誓った。







例え、何があっても。
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