寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「………っっ、莉茉、目を開けてくれ…。」



暁の悲痛な声にも、ぴくりとも反応しない莉茉ちゃんの顔色は、とてつもなく青白い。



「っ、暁、取り敢えず、止血だ!」



このまま家を流し続けるのは、ヤバい。






早く応急措置をしなくては。





覗き込んだ莉茉ちゃんの青白い顔には、全く生気が感じられない。





踵を返した俺は、慌てて車に走り寄る。




「銀次、莉茉ちゃんが刺された!」

「………っっ、はっ!?」

「直ぐに救急車を呼べ!」



車に駆け戻った俺は、目を見開く銀次に指示を出し、常備しているタオルを手に取った。
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