寵愛の姫 Ⅳ

「パーティー?」



季節が冬に変わり。





12月に入ったばかりの、今日。











暁からの思いがけない言葉に、私は目を丸くした。



「あぁ、組関係での、大きなパーティーが今月にあるんだよ。」

「………そう。」



それしか言えず、目を伏せる。








………あぁ、とうとう来たのか。








決断の時が。



「莉茉も学校にまた通い出したし、そろそろ御披露目するつもりだ。」



するりと、暁に頬を撫でられて。



「………………、一瞬に出てくれるか?」



切なげな瞳が、私を見下ろした。
< 253 / 377 >

この作品をシェア

pagetop