寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「ありがとう。」
「ん?」
「私の事を思ってくれて、暁は凄く優しいね?」
私の出会った人の中で、一番、暁が優しい。
「俺が優しいのは、莉茉にだけだ。」
「ふふっ、そうじゃなくちゃ嫌だよ?」
「ふっ、そうか。」
少しの黒い本心を笑顔に隠して私がおどければ、暁は嬉しそうに笑うんだ。
「莉茉?」
「うん?」
「無理なら、莉茉はパーティーに出なくても良いんだぞ?」
“パーティーより、莉茉の方が大事だ。”
そう呟く暁から、大きな愛情を感じた。