寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「見せたくねぇなぁ。」
「え?」
ぽかんと暁を見上げれば、気に食わないと言わんばかりに、眉をしかめる。
「パーティーなら、ドレスか着物だろ?」
「うん、そのつもり。」
しっかり、着飾らなくちゃ。
暁の隣に立つならば、気合いを入れなくちゃいけないもの。
少しでも、釣り合えるように。
「ねぇ、暁?」
「ん?」
「私が着る服は、暁が選んでくれる?」
どうせなら、着る服は暁に選んで欲しい。