寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「あぁ、莉茉、お前は俺だけのものだ。」
狂気を孕んだ暁の視線に縫い止められた私は、噛み付くような口付けを受け入れる。
「………、んっ、」
漏れる声。
何度も。
繰り返し落とされる暁からの甘い口付けに、どこまでも溺れていく。
この腕の中は、私の居場所。
だから、お願い。
ーーーー誰も、私から奪わないで。
「莉茉。」
暁の声に、うっすらと目を開ければ、欲情に染まった漆黒の瞳が、私を見下ろしていて。
それだけで、身体が熱を持つ。