寵愛の姫 Ⅳ

頬も、熱を持つ。



「っっ、変態。」



それでも、それに抗うように、強く睨み付ける。












もう、本当にありえない。







今、そんな事を言う?









全く、ムードがないんだから。



「莉茉が悪い。」

「何でよ?」



むっとして、唇を尖らせる。








私が悪いって、意味が分からないんだけど?




「お前の存在が、俺を可笑しくさせるんだからな。」

「っっ、なっーーーー。」



妖艶に微笑んだ暁からの口付けによって、私の抗議は掻き消された。
< 265 / 377 >

この作品をシェア

pagetop