寵愛の姫 Ⅳ
頬も、熱を持つ。
「っっ、変態。」
それでも、それに抗うように、強く睨み付ける。
もう、本当にありえない。
今、そんな事を言う?
全く、ムードがないんだから。
「莉茉が悪い。」
「何でよ?」
むっとして、唇を尖らせる。
私が悪いって、意味が分からないんだけど?
「お前の存在が、俺を可笑しくさせるんだからな。」
「っっ、なっーーーー。」
妖艶に微笑んだ暁からの口付けによって、私の抗議は掻き消された。