寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「暁?」
「ん?」
「こんな私に出会ってくれて、見つけ出してくれて、本当にありがとう。」
幸せそうに、その瞳に涙を滲ませて。
「私、生まれてきて良かったって思えるぐらい、凄く幸せ。」
莉茉が、ふわりと微笑む。
「あぁ、俺もだ。」
お前と、出会えた奇跡。
何億人の中から、莉茉を見つけ出してのは、間違いなく運命だった。
「俺は、莉茉が生まれてきてくれた事を、感謝しなくちゃな?」
「ふふっ、あの両親に?」
「まぁな。」
不本意だが。
あんなどうしようもない両親でも、この世に両親を生み出してくれたんだ。
多少は、感謝してやるさ。