寵愛の姫 Ⅳ


「私、生まれてきて良かったって思えるぐらい、凄く幸せ。」



本当に、




心の底から、そう思えたの。



「私の子供は、茉莉ちゃん1人だけよ。」



お母さんに言われ続ける内に、私の中で降り積もっていく孤独感と、漆黒の闇。



「っっ、な、んで…。」



こんなにも、貴方からの愛情を欲しているのに。








ぐっと、唇を強く噛み締めて、いつも私は泣く事を堪えていた。











ねぇ、お母さん。







どうして、茉莉だけを愛するの?









声にならない、言葉達。








私と茉莉の違いは、何?







………ただ、愛されたいと望んだだけだった。



「…………憎い。」



沸き上がる、増悪。
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