寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「………、」



降り頻る雨に、何故だか胸がざわつく。





一体、これは、何?







焦燥感。



不安感。




様々な、感情が混ざり合う。







それが、私を酷く落ち着かない気持ちにさせる。



「………………晴れると良い。」



小さく。




囁くように、呟いた。










晴れると良い。




この胸の内の不安を、掻き消すぐらいの青空に。





明日は、なれば良い。










望んだのは、ちっぽけな未来。




些細な、願い事。
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