寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………っっ、お母さん…。」
私の求める小さな声は、絶対に貴方には届かない。
いつも、
そして、これから先も。
お母さんの瞳に映るのは、茉莉、1人だけ。
「っ、ふっ、」
何度も、孤独に泣いて。
孤独感に押し潰されそうな夜を過ごしただろう。
愛されたかった。
ーーーーただ、必要とされたかっただけのに。
私の願いは、叶わない。
なら、期待する事も、愛されたいと夢見る心さえ捨てて、全てを諦めようと思った。
………………あの日までは。
「―――大丈夫か?」
そう言って、生きる事に絶望していた私の目の前に現れたのは、一筋の光。