寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「莉茉。」
貴方に名前を呼ばれる度。
自分の名前を、好きになる。
「愛してる。」
愛を囁かれる、その度に。
泣きたいぐらいの、幸福を得た。
「っ、俺は、お前を失いたくねぇ。」
私の事で弱くなる貴方を見て。
自分の居場所を、与えられた気がしたの。
ーーーー私は、生きる意味を知る。
「っっ、」
心が、震えた。
………あぁ…
全ては、暁。
貴方の為だけに、私は生きるの。
この命は、暁のもの。
自分の中の、愛されたいと思った心の餓えが、満たされていく気がした。