寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「っ、莉茉…。」
そっと、暁の首筋に指を這わせれば、欲情に染まる貴方の瞳。
………私を求めてくれているのね?
「ふふっ、」
自然と、笑みが零れ落ちる。
私の中に新たに芽生え初めたのは、黒くて、どこまでも冷たい狂気の種。
ーーーーねぇ、そんな私も、悪くないでしょう?
「愛してる、暁。」
誰よりも、
何よりも、貴方の事を。
だから、最後まで責任を取ってね?
そうしたのは、貴方なんだから。
聖女や、お姫様しか幸せになれないなんて、一体、誰が決めたの?
悪女だって、最後はハッピーエンドを迎えるの。