寵愛の姫 Ⅳ
「………莉茉…。」
「………んっ…。」
暁から私に贈られるのは、言葉ではなく、深く甘い口付けだった。
「ん、ふっ、」
角度を変えては、何度も、お互い夢中で口付けを繰り返し続ける。
言葉なんて、今はいらない。
この行為こそ、紛れもない私達なりの愛情の証なのだから。
「っっ、莉茉っ。」
「っ、んん、暁…。」
名前を呼びあって、肌を重ねていく。
ーーーーーこのまま、溶け合ってしまいたい。
あの、比翼連理のように。
私を深く求める暁の熱に、どこまでも、どっぷりと溺れていった。