寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
そう。
この暁が、私の“普通”で。
「………………当たり前、何だよなぁ。」
慣れって、怖い。
私は、苦笑いを浮かべる。
周囲の反応からすれば、今の、この暁の行動は珍しい事らしい。
でも、あの暁様がって、一体、なんの事なのか。
少しの興味が湧く。
「まさか、中には例の“あの方”が!?」
「っっ、今日のパーティーは、婚約者のお披露目って噂は、本当だったの?」
周りから囁かれる、今日のパーティーと、隠れた私についての事。
「ーーーー“あの方”、ねぇ。」
ぽつりと、私は呟いた。