寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
何も公表されていない、私と言う名の存在。
ただ、高崎晃に女ができたと言う情報だけが公表されただけ。
高崎組の力で、
名前、
年齢、
家族構成なども。
私の生い立ちさえ、全てが隠されている。
もちろん、暁と結婚した事も。
………表向きは。
「まぁ、学校では、大勢の生徒や先生方にも知られてるからなぁ。」
高崎組からの圧力で、箝口令が敷かれているからとは言え、全員を黙らせられない。
“噂”は、広がっているだろう。
それは、小さな綻び。
それでも、正式に発表されていない、私の存在。
大切に、
厳重に、暁やお父さん達の力で隠されている。
だからこそ、“女達”は、期待するんだ。