寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「行こう、暁。」
しっかりと、前を見据える。
ここからが、私の戦いの時。
「莉茉、それで良い。」
そんな私に、暁は満足そうに口角をあげた。
それにしても………。
「………暁?」
「うん?」
「凄く、モテるみたいだね?」
………あぁ、やっぱり。
そう、思わずにいられない。
幾つも突き刺さる、女性達の鋭い視線。
値踏みなのか。
品定めするかのよう。
そんな、気持ち悪い視線が私に集中する。