寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「何だ、妬いてるのか?」
げんなりしながら恨めしげに見上げれば、暁は愛しそうに私の頬を撫で、甘く微笑む。
「………むっ、」
狡いっ!
甘く微笑んだって、騙されないんだから。
「だって、」
「うん?」
「………暁は、私のだもの。」
ねぇ、そうでしょう?
小さく呟けば。
「当たり前だ。」
ゆるりと口角を上げた、嬉しそうな暁の口付けが私の頭に落ちる。
「「っっ、」」
そんな暁に、周囲から声にならない悲鳴が上がった。
………なぜ、男性までもがなのかは、知りたくないが。
うん、知りたくない。