寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「それに今日は、若と莉茉様、2人の為のパーティーです。」
「………。」
「お願いですから、パーティーが終わるまでは我慢して下さいね?」
不機嫌な俺を、苦笑いを浮かべた大雅が、やんわりと諌める。
「………分かってる。」
そんな大雅に、俺は憮然と返事を返した。
分かってるんだよ、そんな事は。
莉茉のお披露目を兼ねたパーティーだ。
その本人がいなきゃ、意味がねぇ。
それに、莉茉に会えるのを楽しみにしている、あの両親だ。
行かなきゃ、煩いに違いない。