寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「………本当に、溺愛されているのですね。」
その声に視線を向ければ、俺達を見つめて、品良く笑う香川の姿。
微笑ましげな表情を浮かべている。
「確か、ご結婚されているとか。」
「あぁ、式はまだだがな。」
香川の問いに、軽く頷く。
式は、莉茉の高校卒業を待ってからする予定になっている。
………主に張り切っているのは、親父達だけどな。
「それは、御祝い申し上げます。」
「ありがとうございます。」
心からの賛辞に、嬉しそうに顔を綻ばせた莉茉が、香川へとはにかむ。