寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「暁、嬉しいね?」
「そうだな。」
こうやって、誰かに祝られるのも、悪くない。
他の奴等は、打算や計算された“顔”しか、俺達にはしないからな。
莉茉も、分かっているのだろう。
香川が、本心から俺達を祝っている事を。
「………、なぁ、莉茉。」
「うん?」
「俺に、褒美をくれ。」
ふと、思い付いた妙案。
後でなら、たっぷりと、俺は莉茉を堪能して良いんだよな?
どうせ、このホテルの部屋は、高崎が押さえているはずだしな。
「褒美?」
不思議そうに首を傾げる莉茉に、俺はゆるりと口角を上げた。