寵愛の姫 Ⅳ
「入りなさい。」
私達の到着を告げた大雅さんに、中からお父さんの声。
それによって、組員さんの手で、ゆっくりと閉まっていた扉が開かれる。
「やぁ、莉茉さん。」
ソファーで寛いでいたお父さんは、私の姿を見た瞬間、とても優しい眼差しで微笑んだ。
その隣に座るお母さんも、笑みを浮かべている。
「今晩は、お父さん、お母さん。」
そんなお父さん達に、私もにっこりと微笑み返す。
「そのドレス、莉茉さんにとても似合っているね?」
「っっ、ありがとうございます、お父さん。」
照れる。
顔が赤くなっているかも知れない。