寵愛の姫 Ⅳ
初めて着た、高価なドレス。
私の為に、暁が全て選んでくれたもの。
照れ臭さがあるし、自分に似合っているか不安があるけど、誉められるの、凄く嬉しい。
「………チッ、俺が莉茉の為に選んだドレスが似合わない訳がないだろ。」
お父さんの賛辞に照れる私を、暁の手に引き寄せられ、その腕の中に捕らわれる。
「っっ、」
もしかして、
………それは、焼き餅?
なら、嬉しい。
「ふふっ、」
思わず、私の口から小さく笑みが零れ落ちる。
「あら、暁が選んだの?」
私が大人しく暁の腕の中にいれば、お母さんが目を丸くして、驚きの声を上げた。