寵愛の姫 Ⅳ  【完結】


「ねぇ、朔くん?」

「ん?」

「私は、大丈夫だから、気にしないで?」



目を閉じる。






私の境遇を知っている、朔くん。






だからこそ、こうやって部屋に来て、1人にならないように泊まっていってくれる。








………………実家を出た、私の“家”に。



「今の私には、朔くんがいてくれるもの。」



怖いものは、ない。




何1つ。






………………朔くんを、失う以外は。



「だから、私は平気なの。」



それは、強がりなんなじゃない。






寂しくないよ。




私は、大丈夫。








1人の夜に怯え。





ーーーーー孤独に泣く事は、もう、ないのだから。
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