寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「それは良いな。」
「でしょう?」
お母さんの声が弾む。
「ふむ、なら、私も一緒に行こう。」
「あら、頼さんも?」
不思議そうな表情で、お母さんは首を傾げる。
「頼さん、仕事は大丈夫なの?」
「あぁ、平気だ。」
「ふふっ、なら、楽しみね?」
いつがいいかしら、とお父さんとお母さんは、早くも予定を確認しあっている。
………あぁ、うん。
私の意見は、聞かないんですか……
まぁ、出掛けるのは、良いんだよ?
だけど、私を抱き締める暁の腕が、ぶるぶる震えている事に気が付いて下さい!