寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「そうか、それは知らなかったな。」
「良かったな、知る事が出来て。」
口角を上げて凄む暁に、どこまでもにこやかに対応するお父さん。
なのに、どうしてだろう。
2人共、目が全く笑ってないように見えるのは、私の気のせいだろうか?
………あぁっ、寒気が見に染みる。
「もう、頼さん。」
「ん、どうした、美夜?」
「煩い暁なんか無視して、莉茉ちゃんをひっそりと連れ出せば良いのよ。」
妙案とばかりに声を上げるお母さん。
にっこりと微笑み、暁とお父さんの笑顔と言う名の睨み合いに参戦。
………お母さん。
分かっていたけど、やっぱり2人を諫めてはくれないんですね……
あぁ、どんどん修復が不可能になっていく。