寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「っ、そう、ね。」
そんな頼さんに頬を染めた私は、いつまで経っても敵わないんだろう。
狡い人。
それでも、私にとって、頼さんは唯一無二の愛おしい旦那様。
だから、昔の事は、許せてしまえるのよね。
まぁ、今も私以外の女に目を向けるなら、容赦はしないけれど。
これが、惚れた弱みなのね。
………悔しいけれど。
「ふっ、さぁ、時間だ。」
差し伸べられる、頼さんの手。
「あら、もう?」
もっと話したかったのに。
少しむくれながら、私に差し伸べられた頼さんの手を取った。