寵愛の姫 Ⅳ
「楽しい時間は、あっという間ね。」
残念。
せっかく、楽しんでいたのに。
パーティーは、憂鬱。
多くの陰謀が渦巻く場所に、誰が好き好んで行きたがるんだか。
いまだに頼さんに群がる女達を、いい加減、どうにかして欲しいわ。
「………はぁ、仕方ないわね。」
溜め息を吐き出した私は、頼さんに手を引かれて、ソファーから立ち上がった。
「ふふっ、莉茉ちゃんとのお出掛けのプランでも考えてましょう。」
それぐらい、許されるわよね?
暁の許可もある事だし、どこに行こうかしら。
楽しみ。
色んな計画を頭の中で考えながら、頼さんに寄り添って、暁達と会場へと向かった。