寵愛の姫 Ⅳ
女神ー暁sideー
「………ねぇ、あの暁様の隣にいる人って…。」
「もしかして、影で噂されている”寵愛の姫“なのかしら?」
こそこそと、囁かれる声。
いくつもの不躾な視線が、俺の隣にいる莉茉へとまとわりつく。
打算と、増悪。
隠しきれない、そんな欲望が渦巻く会場内は、莉茉にとって辛い場所だろう。
ーーーそれに。
「っっ、あんな子が、暁様のパートナーなんてっ!」
俺の苛立ちも、限界に近い。
「………チッ。」
思わず、出る舌打ち。
何で莉茉が、お前達にそんな事を言われなくちゃなんねぇんだよ?
不愉快だ。
自分の方が、上だと思ってんのか?
なら、笑える。