寵愛の姫 Ⅳ  【完結】

それがなけれは、俺はとうにキレていた。










だって、当たり前だろ?







莉茉を見下す奴は、俺の敵なのだから。










何人が、その事に気が付いているのか。



「ふっ、幸せな奴等だ。」



小さく呟いて、鼻で笑う。









莉茉が俺を押さえていなければ、あいつらに明日はなかったかも知れないんだからな。



「………?」



不思議そうな表情を浮かべる莉茉は、きっと分かっていない。








俺にとって、自分がどんなに大切な存在で、影響を与えるのかを。










一言。






”消して“



”要らない“





そう莉茉が言ったなら、俺は間違いなく、塵も残さず葬っていただろう。
< 339 / 422 >

この作品をシェア

pagetop