寵愛の姫 Ⅳ  【完結】

「だってさ?」

「うん?」

「こうやって、神無を独り占め出来るじゃないか。」



ふわりと、朔くんが微笑んで。





私の髪を、優しく撫でる。



「神無を独占する事が出来るこの瞬間が、俺には何より、大切なんだ。」

「………朔くん。」



あぁ、愛されてる。




誰よりも深く、この人に。



「………………ん、私も。」



私も、何よりも、この2人だけの瞬間が好き。








柔らかな朔くんの表情も。



愛おしさに溢れたら、その瞳さえ。







全てが、私を惹き付ける。
< 34 / 422 >

この作品をシェア

pagetop