寵愛の姫 Ⅳ 【完結】
「っっ、」
ぞくりと、俺の身体が粟立つ。
魅せられる、
莉茉の、醸し出す色かに。
灯る、欲情の熱。
簡単に、莉茉は俺の中の雄を目覚めさせる。
「莉茉、このまま部屋に行くか?」
煽ったのは、莉茉だ。
この責任は、ちゃんと取ってもらわないとな?
「駄目。」
「あ?」
「だって、途中で抜け出したら、逃げるみたいじゃない。」
強い眼差しを、莉茉は周囲に向ける。
「最後まで、戦うわ。」
戦いの神、アテナ。
汚れなき美しき女神が、俺の隣に舞い降りた。